恋愛レッスン1

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 でも、宝石みたいな瞳から出る視線は好意的ではない。 「このまま息絶えると思ったが、案外しぶとい」  声はざらついているが甘い。  でも、意地の悪いトーンだ。 「私……」  起き上がろうと身体に力を入れてみるが、 「動かんだろう?」  頷くこともできない。 「呪いがかかっている」  呪い??  どうしてそんなものが。 「知らん」  表情を読み取ったのだろう。  突き放すように言われた。 「どこから来た?お前、異国の者だろう?ここは、ルーセン。わかるか、ル・ー・セ・ン・国だ」  聞いたことのない国名だった。  なのにアズもさっきの子供も日本語を喋っている。  もしかして……?  私が、こっちの国の言葉を喋っている??  海外に出向いた覚えはない。  日本にいて、どこからかの帰り道だった。  制御しきれない怒りを私は抱えていて……。  そこから、記憶は飛んで、気がついたら聞いたことのない国へ。  まさか、異世界転生?  アニメのおすすめ出てきたけれど。  っていうことは、私、どこかで死んだ?  ますます身体が重くなった。 「う、うっ」 「呪いが全身に回りつつある。解呪しなければ、死ぬぞ」 「助、け……て。お願い!助けて!」  口が上手く動かない。数分もしないうちに、何も喋れなくなる予感がした。 「お前を助けて、俺に何の得がある?」  「……何でも……します」  困ったようなため息の後、アズの手が、ブランケットの中に入っていく。 f6305345-07e5-410a-9afd-afa2fc8fbf61  温かい手が肌に触れる。  警戒した私の眼球が忙しなく動き、身体がさらに硬直した。 「俺が脱がしたわけじゃない。森にいた時から素っ裸だった。泣きながら吠えていた」  手が胸の先をかすり、へそに触れ、下半身のくぼみを撫でてつま先まで。  不思議なことに少し身体が楽になった気がする。  同じ動作を繰り返しながら、アズが唸る。 「うん?」  鎖骨から、つま先まで何かを集めては、床にゴトゴトと落としている。
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