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ある時期から、志津里は身体が急激に弱り、入院した。
別れが近い......それは私も豊作も身に染みていた。
だからこそ豊作は覚悟して、仕事の長期休暇を取って帰省していた。
豊作が東京で知り合った真乃纏 という青年には霊感があって
「お母さんと、ちゃんとお別れしといたほうがいいよ」
そう言ってくれたのだそうだ。
「2人に驚かせたいことがあるんだ」
志津里の病室に入ってきた豊作が言ってきた。
『仕事の調整は、大丈夫。ずっと一緒にいられるよ』
豊作が......。
手話で、そう言ってきた。
とても美しい丁寧な動きで。
志津里は感動しすぎて涙を次々とあふれさせた。
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