え、そこまでして?

10/16
前へ
/16ページ
次へ
ある時期から、志津里は身体が急激に弱り、入院した。 別れが近い......それは私も豊作も身に染みていた。 だからこそ豊作は覚悟して、仕事の長期休暇を取って帰省していた。 豊作が東京で知り合った真乃纏 という青年には霊感があって 「お母さんと、ちゃんとお別れしといたほうがいいよ」 そう言ってくれたのだそうだ。 「2人に驚かせたいことがあるんだ」 志津里の病室に入ってきた豊作が言ってきた。 『仕事の調整は、大丈夫。ずっと一緒にいられるよ』 豊作が......。 手話で、そう言ってきた。 とても美しい丁寧な動きで。 志津里は感動しすぎて涙を次々とあふれさせた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加