オルガン

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 あの小学校は大空襲で焼けたらしい。そして先生の住んでいた場所も焼けた。僕の家も、家族もそう。ピアノもオルガンも皆と共に死んだのだ。いや、あの楽器たちに対してはそうなってくれて助かったのかもしれない。だって残っていたところで、僕にはもう弾く腕がないのだから。
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