ひとさしゆび

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田舎の命日の複雑な行い事が全て済ませた頃には太陽が少しだけ傾きかけた時刻になっていた。 庭で子供達が遊んでいると、母が何やら持って来て 「モモ!暑い暑いねぇ、これ被りなさい」 少し古ぼけた麦わら帽子をモモに被せた。 モモは「あちゅいあちゅい」と言いながら被らされた帽子を抑えていた 「あっ、その麦わら帽子あんたが被ってやつ」 「はっ?そんなん取っといたの?」 「うん、ここにいる間だけならあんなんでもいいでしょ、帰りは置いてっていいからね」 母はそう言って忙しそうに家の奥に向かった。
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