ひとさしゆび

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「綾ちゃん、何処か寄りたい所ある?」 「別にないかな……」 「そっか……じゃぁ真っ直ぐ駅に行くね」 そう言って車が走り出した。 夫が眠る墓地の前を通り過ぎようとした時。 「キー!キー」とモモが騒ぎ出した。 義姉が「えっ?モモ何?」と慌ててる 私にはわかった、またあの景色がみたいのかな?と……。 「お義姉さんごめん、お墓寄ってくれる?」 「わかった!」 お寺の駐車場に着くと 「綾ちゃん、私お義母さんに頼まれた住職さんへの用事、帰り寄ろうと思ったけど今行っちゃうから…」 と反対方向に歩き出した。「ゆっくりね」と言いながら…。 きっと遠慮してくれたのだろう…。 ………お義姉ちゃん、ありがと!………
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