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あてもなく、1人トボトボと歩いていた時だった。
「保ー!!」「千夜くん!」
山村と鈴木の声が後ろから聞こえてきて、俺は安心した気持ちで振り返った。
「よお」
「保ー、今日、学校休んでどうしたのー?その荷物もー。吾作先輩も休みだったんだー。部長さんが入院したって言ってたー」
…そうだ。
行くあてもだが、俺は先輩の手術代を払わなきゃならねー。
だが、啖呵を切って家出した以上は、屋敷には戻れねー。
どうすりゃいいんだ…。
「千夜くん。山村先輩のご両親が長期のご旅行に行かれたので、これから泊まりに行くんです。千夜くんも、ご迷惑で無ければ来ませんか?」
「3人で泊まろうよう!」
持つべき者は友。
俺はこうして先ずは、雨風を凌げる場所をゲットした。
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