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山村の家は広いから、俺達3人で泊まっても、余裕のスペースがある。
俺はスマホを取り出すと、割りの良いバイトか何か無いか調べ始めた。
「保ー、何、観てるのー??」
スマホをタップしていると、山村の声が後ろからした。
思わず振り返ると、山村が勝手に俺の携帯を覗き込んでいる。
「山村先輩。友達とはいえ、スマホを覗くのは厳禁ですよ?」
鈴木が優しく咎めるが。
「えっ??保、バイトするのー?」
山村には既に見られた後だった。
「ああ。金が欲しくてな」
俺はスマホをしまいながら、言った。
「だったら、ウチで働けば良いじゃん!」
「…何?」
山村の家は、確かに金持ちだが、家政婦を雇っているという話は聞いたことがねー。
…いや、それは山村が料理を始め、家事全般、出来るからか。
「僕もたまには家事休みたいよう!料理と洗濯、掃除をしてくれれば、日給8,000円出すよう!」
「…良いのか?」
それがホントなら、貯金してけばかなりの額になる。
魅力的な話だ。
「それくらいだったら、僕のお小遣いから、払えるしー」
「ですが、千夜くん。そんなにお金に困ってましたっけ?」
鈴木が鋭いところを突いてきやがる。
「自分の金じゃねー。俺は先輩の手術代を払わなきゃならねーんだ」
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