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それからというもの、学校帰りに山村ん家でバイトする日々が始まった。
教師の俺に対する態度も、今までと変わんねーし、ホントに真相は広まっていねーようだった。
ひょっとして先輩、俺に性的暴行を加えようとした事が明るみに出るのを危惧しているのか?
だとしたら、俺と先輩は立場が対等だ。
俺は自分がした事を償うつもりで、先輩の手術費を稼げば良い。
3人分の着替えを洗濯し、乾燥機に掛ける。
その間に飯を作る。
只、1番大変なのは、掃除だった。
さっきも述べたが、山村ん家は広い。
「この部屋は、掃除しなくても良いよう!」
山村がそう言った部屋を除いたとしても、掃除機掛けるだけで1時間は、掛かった。
だが、やり遂げる度に、最初に言ってたように、山村は金をホントにくれた。
俺は鈴木が寄越してくれた貯金箱に金を貯めていった。
そして、部長から聞いた額に、もう少しで金額が貯まる、ある日。
放課後。
山村は、部活に。
鈴木は、図書館に。
2人がそれぞれ帰りが遅くなるから、俺は先に1人で、山村ん家に帰って来た。
鍵は、郵便受けの中に入っている筈…。
ところが、今日に限って、鍵が見当たらねー。
俺は試しに玄関のドアを開けてみた。
ドアは音もなく、呆気なく開いた。
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