金が必要に

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「珍しいな。保、お前がワシの所に来るとはな」 和装の親父は、ローテーブルの前で茶を飲んでいた。 どうやら、今日は会合も休みのようだ。 田中は、襖付近に正座した。 俺は、親父の対面に胡座をかく。 「親父。単刀直入に言う。俺を借金取りのメンバーに加えてくれ」 「ほう?」「坊ちゃん?!」 「そして、回収した分の金の一部を俺に回して欲しいんだ」 「それは何故だ?」 「近いうちに金が必要になった」 親父は、しばらく俺の目を見ていたが、やがて言った。 「良いだろう」 「頭?!坊ちゃんには、まだ早過ぎると思いやす!」 「早いも遅いも、いずれは保も関わることになる。学校には、ワシから欠席の連絡を入れておくから、明日から早速、田中達について回れ」 「サンキュー、親父」 俺は、あたふたしている田中を置いて、部屋を出た。
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