第0章 プロローグ。

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第0章 プロローグ。

「運命が… 変わるくらいの恋をしたい。」 そんな願いを持つ男女がおりました。 男性の主人公は、 里村 婁貴(さとむら るき)〈23〉 ちなみに名前の由来は、 母親である里村 里菜がビジュアル系バンド・セルフィのボーカル・鏤埼(るき)を推している事から名付けられた名前である。 婁貴「今、流行りの推し活から名前を付けられたなんて…珍しいかな?」 里菜「良いじゃない、鏤埼くんは誰よりも美形なのよ?今度LIVEに行く?」 婁貴「だから…お父さんから離婚するって言われるんだよ?推し活貧乏。と、言うか依存症?」 婁貴の家には父親である村瀬 (むらせ ゆずる)の写真よりも鏤埼の写真の方が山積みとなっている。 ちなみに… 謙は里菜に一目惚れして結婚する事となり里村家に婿入りをしました。 しかし… 婁貴の話はこの辺りにしましょう。 次は… 女性の主人公である 新村 靜華(にいむら しずか)〈23〉 靜華「婚約者に逃げられました。」 実は、新村 靜華。 新村財閥のお嬢様で、 日本版石油王の孫娘なのですが… 何故日本版石油王と言う言葉が生まれたかと申しますと、 中東情勢が悪化し 石油の値段が高騰化した昨今、 新村財閥は中東に密接なパイプがあり 政府から石油を安価な値段で輸入して欲しいとの指令を受ける事になり… 結果としてそれで財を得たのですが 新村財閥と敵対する川村財閥の娘が靜華の婚約者である茂崎 晃平の心を奪い…靜華は産まれた頃から決められていた婚約者に逃げられました。 茂崎家は輸入業者として有名な家柄で晃平がいるのといないのとでは… 川村 雪里(かわむら ゆり) 「晃平さんは私の婚約者よ。ねぇ、早く婚約者から配偶者になりたいわ。」 靜華「私の目の前で何て事言うのかしら?人の不幸の上に成り立つ幸せなど長続きしない。せいぜい儚い幸せを噛みしめるが良いわ…。」 茂崎 晃平が川村 雪里に心変わりをした事で靜華の婚約者の席を巡って…財閥と言っても新村家より小規模にはなりますがそちらの方々が争い…小競り合いを繰り返すようになりました。 靜華「下らない。そんな争いにあたしを巻き込まないで…」 新村 靜華の父親である東吉(とうきち)は新村財閥を更に大きなものにするため躍起になっておりました。 東吉「使えるものは… 例え娘でも使え!」 弥生「お父さん! 靜華はものではありません!」 財閥は力を失えば解体されるのが、 この世界での日本のやり方でした。 東吉「財閥が解体されても良いのか?こうなれば…なんでもやる!」 弥生「娘よりも家が大事なのですか?そんなお父さんには可愛い犬をプレゼントします。」 弥生と靜華は犬好きですが東吉は、 猫好きなので犬嫌いでした。 東吉「犬は止めろ!」 東吉の悲鳴が響き渡っておりますが、 財閥の運命はまさに風前の灯火で、 坂本顕内閣総理大臣「業績の悪い財閥は潰すからそのつもりで…解体されたくなければ死ぬ気で働け、死ぬ気でな…!」 坂本 (さかもと けん)は、 内閣総理大臣ではありますが日本の借金・国債が膨れ上がっている事を常に気にしており財閥の解体には積極的。 しかし… 坂本 (さかもと ゆかり) 坂本 紫「川村財閥は私の実家ですのよ…。雪里の将来だけは潰さないように宜しくお願いしますね。」 坂本 紫は川村 雪里の叔母で、 姪の雪里を誰よりも溺愛している。   坂本顕「だから…茂崎家の長男である晃平と婚約させただろ?茂崎家を軽んじるものは茂崎家に泣くと言うから…」 そんな諺はないのだが… 紫を溺愛している顕が勝手に作った オリジナルの諺である。 靜華「こうなったら素敵な人と結婚して私の価値を高めるわ。」 内閣総理大臣まで恋仇の味方をする理不尽な世界で生きる事になった靜華は 美容師となり素敵な殿方に出逢う事を決めたのでございます。
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