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誰も見ることの無い、日記
私の過去は、蓋を開けた瞬間、用水路に溜まった泥のようにボタボタと流れ出ていく。綺麗とは程遠い、濁りきった記憶。
そんな経緯に蝕まれた私は、この世のどんな人間より―――裏で賄賂を渡す政治家や、子供ばかりを狙う連続殺人犯なんかよりも―――ずっとずっと、暗闇のように真っ黒だった。
手を差し出すのは簡単だ。自らの目線で、ありきたりな応援をかけるのは。それが、相手の首をもっと絞めることになるとも気付かずに。
けれど、シキは違った。
彼は決して、安直な言葉を口にしなかった。無理やり未来を照らして逃げ道を塞ぐ訳でもなく、ただただ私の隣にいた。同じことをして、同じものを見た。
暗闇に取り込まれているのなら、そこに新たな居場所を作ろう。小さなランプと、バターナイフと、硝子のティーポットを持って。
そう、言ってくれている気がした。
シキは口数が少なかったけれど、伝えてくれた全ての言葉が針みたいに心に刺さっている。
”Everything is OK. I promise. ”
何度も反芻する。毎日毎日、檻の中で、その針をより深く刺すように。
”Everything is OK. I promise.”
”Everything is OK. I promise.”
”Everyth ―――
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