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生まれて直ぐは紙の様
己が柔肌裂かぬよに
寝てる間を見て怖ず怖ずと
小さな鋏で 整える
やはり暫く鋏のみ
紅葉の指を広げきり
少し不安な貌見せて
されども信じ 身を委す
食べて眠ればすぐ伸びる
人に言われて気付くほど
ついこの間切ったのに
泥が挟まる黒い爪
自分で切る と言い張るも
始めはおっかなびっくりで
殆ど長さが変わらない
ぱちん の音で 腰引ける
いつの間にやら易々と
爪切り使って自らの
手指の爪に留まらず
足の爪さえ 切れるのね
育てたつもり そのつもり
育っただけ かも しれないが
厚みを増して 強くなり
いつの間にやら こんなにも
もうすぐ わたしの 爪を 越す
眠るあなたの爪 撫でる
明日は何を 食べようか
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