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「す、菫!今外だから……」
「会社に着くまでよ。ダメ?」
ジッと見上げれ、風雅は真っ赤な顔のまま言葉を失ってしまう。風雅は菫に弱い。
会社に着いてしばらくすると部長が風雅に話しかけてきた。
「神無月くん、ちょっといいかい?」
「はい。何でしょうか?」
部長の隣には菫もいる。菫も部長に呼び出されたようだ。そのまま三人で会議室の中へと入る。会議室のドアを閉めた後、部長は真剣な表情で言った。
「二人に頼みたいことがあるんだ」
「頼みたいこと、ですか?」
菫の問いに部長は大きく頷き、「十月三十一日は何の日かわかるか?」と壁にかけられたカレンダーを見ながら言う。その日はハロウィンだ。それを風雅と菫が同時に言うと、部長は大きく頷いた。
「ハロウィンは日曜日。市内ではハロウィンイベントが行われている。そこで我が社もハロウィンイベントを行おうという話になったんだ」
「そのイベントの企画を二人で考えるというわけですね」
菫がそう言うと、部長は「その通りだ!秋麗さん!」と大きく頷く。そして、「二人とも期待しているよ」と早口で言いながら会議室を出て行ってしまった。あとはここで二人で話し合えと言うことだろう。
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