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第1話 予告状
「るいと先生!」
事務所の所長室に駆け込んできたのは、探偵助手の森杉蘭華でした。丸眼鏡とポニーテールが特徴の、若い女性です。
「どうしたんだ、森杉くん。そんなに大声を出して……。いつも言っているだろう、探偵助手たるもの、常に冷静でいなさい、と」
どっしりと構えて余裕の笑みを浮かべるのは、赤羽根瑠衣斗。数々の難事件を解決してきた名探偵です。
「でも先生、これ……」
蘭華助手から受け取った封筒は、薄い紙で出来ていました。中身が透けて見えるほどです。
一目見た途端、彼の表情が険しくなりました。開封して中身を確認すると……。
「またか! フラワー・シーフめ!」
赤羽根探偵は、忌々しそうに吐き捨てるのでした。
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