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こわい、こわい、こわいよ! わたしはララのはずなのに!
物置小屋に入って泣いていると、ガタリと物音がした。
「ララ?」
一瞬体がびくってなった。でも、わたしのことララって呼んだ。
「リリ……?」
「どうしたの? ルルに何か言われたの?」
リリがわたしの顔を覗き込む。
リリだ。リリだ。この子はリリだ。わたしは立ち上がってリリに抱きついた。
「リリ、わたし、自分が自分でわからない。こわいよ、わたしはララじゃなかったの?」
「落ち着いて、あなたは間違いなくララだから」
リリがそう言って背中をさすってくれたおかげで、わたしは少しだけ落ち着いた。
しばらくして、リリはわたしから体をはなすと、真剣な顔でこんなことを言った。
「ねえララ、あの子にも、お姉さんがいるそうなの」
「え、本当のお姉さん?」
「うん、だけど少し前に事情があって、今は家を出てってしまったらしいの」
「そんな……」
「多分、ルルは一人で二役をやってるんだと思う」
「一人で……」
わたしはそれを聞いて、胸がぎゅっと痛んだ。
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