三つ子ごっこ

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 こわい、こわい、こわいよ! わたしはララのはずなのに!  物置小屋に入って泣いていると、ガタリと物音がした。 「ララ?」  一瞬体がびくってなった。でも、わたしのことララって呼んだ。 「リリ……?」 「どうしたの? ルルに何か言われたの?」  リリがわたしの顔を覗き込む。  リリだ。リリだ。この子はリリだ。わたしは立ち上がってリリに抱きついた。 「リリ、わたし、自分が自分でわからない。こわいよ、わたしはララじゃなかったの?」 「落ち着いて、あなたは間違いなくララだから」  リリがそう言って背中をさすってくれたおかげで、わたしは少しだけ落ち着いた。  しばらくして、リリはわたしから体をはなすと、真剣な顔でこんなことを言った。 「ねえララ、あの子にも、お姉さんがいるそうなの」 「え、本当のお姉さん?」 「うん、だけど少し前に事情があって、今は家を出てってしまったらしいの」 「そんな……」 「多分、ルルは一人で二役をやってるんだと思う」 「一人で……」  わたしはそれを聞いて、胸がぎゅっと痛んだ。
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