鏡の自分

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鏡の自分

「…………あれ!?上手くいかない!?ま、まぁまぁ!!何度も、話しかけないといけないもんね!?もしも〜し!!返事して!!鏡の私!!」 時刻は、切り替わり、スマホ越しから、鏡に、写ってる自分に、根気よく、話しかける。 「…………やっぱり、無駄だったのかな?」 そう、諦める。 「こんばんは」 「!?」 声が聞こえた!! スマホ越しから、鏡を、再度、確認する。 「こんばんは。桑野ココロ。私は、あなたよ。お話しをしよう?」 なんと、鏡の自分が、話しかけてきたではないか!! 「ヒッ!!ほ、本当に、上手くいったの!?マジなの?」 鏡の自分は、手を振り、私に、話しかけてきている!! 「……………どうしたの?私?なにか、相談があって、この、おまじないをしたんでしょう?私は、あなた。あなたは、私。相談内容は、分かってるわ。クラスに、好きな男子がいるんでしょう?どうやったら、会話できるか、悩んでいるんでしょう?合ってる?」 私は、冷静に、この出来事を考える。 「…………本当に、私なの?」 「?そうだよ?なにを言ってるの?」 本当に会話出来てる!! 「えっと、その!!…………うん。鏡の私の言ってる事で、相談したいの。どうやったら、その男子と会話出来るかな?あ、あわよくば、彼氏に、なってもらいたいかな?どうすれば、いい?」 鏡の私は、答えてくれた。 「………あなたの、グッズの中に、とあるアニメのラバーキーホルダーを鞄に着けなさい。そして、彼より、先に「おはよう」と、言うの。そうすれば、彼と会話出来るわ。彼も、アニメオタクだから、あなたの観ているアニメにも、詳しい。これで、上手くいくわ」 「な、なるほど!!ありがとう!!私!!」 「……………あなたが、喜んでくれて、嬉しい。ねぇ?私?鏡に、触れてくれない?私、あなたの体温が知りたいの。お願い?」 「それくらいでいいなら、するよ!!お礼代わりだけど、それで、いいの?」 鏡の私が、右手を鏡に、ピタッとつける。 オリジナルの私も、スマホ越しではなく、直に、鏡をみながら、手を合わせる。 その時に、気付いた。 このおまじないの、やってはいけない、禁忌を犯してしまった。 「異次元の自分」 それは、鏡の自分に、触れてはいけない。 どうなるか、詳しくは、知らない。 だが、やってはいけないと、注意書きがあり、私は、それを、忘れ、鏡の私と、手を合わせてしまった!!
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