0人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし、彼の愉悦もそう長くは続かなかった。なぜなら、彼は気づいてしまったからである。
『もしかしたら、俺も発達障害なのか?』
小学校から大学までずっと学校になじめず、友達が一人もできなかった。彼女が一人もできたことがないどころか、母親以外の異性とまともに口を聞いたことがなかった。小・中・高とずっといじめられ、あだ名が『ガイジ』だった意味を。大学は勉強を頑張り偏差値の高いところに入ったおかげでいじめられなかったが、入ったゼミで結婚式に自分一人だけ呼ばれなかった。
彼の脳を、今までの人生が走馬灯のように流れ、先ほどの姉と母の会話とリンクした。
その瞬間、彼はすべてを理解した。
最初のコメントを投稿しよう!