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牛山知人の朝は遅い。寝床から起き上がると、まず二度寝をする。そして昼過ぎになり再び目が覚めると、ゆっくりと寝床から起き上がった。
彼の髪はぼさぼさで、眉は生まれてから一度も整えたことがなく、肌は脂ぎっている。彼は今ベッドから起き上がり、水虫でカサカサになった足の裏を部屋の床につけた。
彼の部屋は大量の漫画やエロゲパッケージ、飲みかけのペットボトル、空になった通販の段ボールなどで散らかっている。しかし、ベッドにかけられたシーツは清潔だった。
およそ彼本体や彼の部屋の小汚さとは似つかわしくないが、これは彼の母が定期的にシーツを変えているからである。母は以前彼の部屋を掃除しようとしたが、その際彼が激怒し暴れたので、彼の部屋のシーツ以外はずっと汚いままだ。
「知人ぃー! ごはんよー!」
階下から年老いた女――彼の母である――の声がして、彼は返事をすることなくドスドスと音を立てて階段を降りた。
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