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幽霊の時間感覚は、人間だった頃とは異なるようです。
今の方々が、なんと三年ぶりのお客様だったとは……。本当に驚きです!
もう稼働していないのであれば、私以外の脅かし役たち――作り物のお化けたち――は、二度と顔を出すこともないのでしょうか。
そう考えると、少し寂しくなります。でも、だからといって私には、ここを出て余所へ移ろう、という気力もありません。
だから『打ち捨てられたお化け屋敷』に居座る私は、それこそ本物のソロ幽霊。自分でも気づかぬうちに、きちんと私は独り立ちしていた……と言っても構わないかもしれませんね!
(「ニセモノのお化け中でホンモノが」完)
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