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戻ってきた美紀も交えて、リビングで三人の時間を過ごす。
一緒にソファーに座っていると、まるで家族団欒みたいな雰囲気だ。美紀の提案で三人一緒の記念撮影もしたほどであり、花澄としても居心地は悪くなかったのだが……。
「みきのお部屋、かすみお姉ちゃんに見せてあげる!」
美紀が突然立ち上がり、花澄の手を引いて、他の部屋へと連れ出そうとする。
花澄が紀明の方へ、尋ねるような視線を向けると、彼は小さく頷いていた。娘のわがままを聞いてやってくれ、という様子だ。
紀明は座ったままなので、美紀の部屋へ行くのは二人だけらしい。
「ええ、わかったわ。みきちゃん、何を見せてくれるのかしら? 楽しみね!」
心にもない言葉を口にしながら、花澄も立ち上がるのだった。
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