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ぐるるるる・・・きゅるるるる・・・
「あ〜〜〜〜〜〜〜!!腹減った・・・
お腹と背中がくっついて、もうクタクタで歩けない・・・」
ガリガリに痩せこけた一匹の雄ギツネが、フラフラとふらついて千鳥足で歩いていた。
「もう何日も食ってねぇ・・・
俺、狩りがド下手だし、ウサギに何十回も逃げられたし、
最近口に入れたのは、ドングリとかの樹の実だし。
ヒマワリの種も食ったよ。小さくて、何も腹の足しにならんかったし・・・
やっぱり食いたいのは・・・肉だよ・・・
ジューシーで柔らかい、歯ごたえのある肉だよ・・・
でも、俺は狩りがド下手だし・・・
弱肉強食の世の中よ。
俺はこのまま飢えて行き倒れて、餓死して、カラスの餌になって土に帰るんだ・・・
どーせ俺なんか・・・」
キツネのケットは尖った鼻を辺りに突き出して、クンカクンカと匂いを嗅いだ。
「駄目だ・・・何か食わないと、匂いの精度が落ちる・・・
あーーーーー!!腹減ったーーー!!」
ガツン!!
突然、キツネのケットは目の前の何かに頭をぶつけた。
「イテッ!!こんなとこに、岩なんかあったっけ?!」
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