放課後、屋上で君を待つ

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「ごめん、やっぱり…変なこと言ったかもしれない。忘れてくれ」 律が逃げるようにその場を去ろうとした瞬間、綾人がそっと律の肩に手を置いた。その手の温かさが、律の心を揺さぶる。 「言葉足らずで悪かった。俺も、こうして関口が俺のことを気にかけてくれるのは、嬉しい。」 その優しい言葉に、律の不安は少しだけ和らいだが、同時に辻への想いが一層深くなっていくのを感じた。まだはっきりと答えが見えないままの二人だが、心の中に芽生えた想いは少しずつ形を持ち始めた。
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