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しかしクレールはソフィアにこう言った直後、「あぁ、でも」と気を変えてしまいました。
「ただ殺すだけじゃつまらないですね。私が二十年の間受けた屈辱と惨めさを何倍にして返してあげないと」
こうしてソフィアは、クレールが本来得られない筈の王位を簒奪する為の「計画」に巻き込まれることになりました。
ソフィアがクレールに協力したのは、命が惜しくなったからでも、自分を道具扱いする隣国の王に愛想が尽きたからでもありません。
一切合切の感情を持たないソフィアという少女は、言わば操り人形のようなものでした。人形は自分の操り手がコロコロ変わろうと、顔色一つ変えず、従順に操られ続けます。そこに打算はない代わり、忠誠心もありません。
ソフィアもまた、そんな操り人形と同じように、自分に命令する人間に対して無感動に従っただけにすぎないのです。
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