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体の奥の方が太陽を飲み込んだみたいに熱くなる。最後の最後にとんでもない無理難題を突きつけられたものだ。やってやろうじゃないか、打ち切りを決めたやつらがほぞを噛むほどの番組史上最高に面白い最終回を。
一度しか吸っていない煙草を灰皿に押し付け、気合いを入れた。
「最後にひと花咲かせてきます。笑い死にしても知りませんよ」
気丈に言い放って、俺は喫煙所を後にした。
それがちょうど一週間前の出来事だ。
ラジオブースにいない木曜の深夜は初めてだった。本来ならマイクに向かって軽快なトークを繰り広げている時間にこうして、しみったれた自室のベッドで横になっているのは奇妙な感覚だ。まるで小学生の頃に学校をずる休みしたような、非日常感。
暇を紛らわすために呑みに行ってもよかったのだが、その姿を想像すると仕事をクビになってヤケ酒を飲んでいるようにしか見えなくてやめた。……実際そうなんだけど。
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