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母と特に会話を交さず食事が終わった。食器の音だけがしている。
「明日順位発表なの?」
席を立とうとしていた瞬間に言われた。
「うん」
「いい結果だといいわね」
いつもより口数の少ない娘を心配したのだろうか。少し嬉しかった。
「大丈夫よ。香世は絶対1番なんだから」
前言撤回。
この女が心配していたのは私の成績だ。わかりきっていたことだが、少し悲しくなった。もし私が馬鹿だったら、口もきいてくれないと思う。
階段を上がった。永遠に部屋に辿りつけない気がした。
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