「今回のテストも100点なの?!さすが香世ね!お母さん鼻が高いわ」
母は上機嫌だ。いつもより声が高く、滅多に見せない笑顔で私を褒めた。私は得意気に笑ってみせる。本当はテストでいい点がとれたことよりも、母に褒められることの方がとびあがるほど嬉しいのだが、なぜか上手く表現できない。
「次も頑張ってね」
見えない圧力をかけられた。私は頷く、母の期待は裏切れない。裏切ってはいけない……。
「じゃあ夕飯になったら呼んで」
そう言って私は部屋へ続く階段をかけあがり、一人の殻に閉じ籠る。
白いドアを開け、勢いよく閉めた。そして床に腰をおろし、一息ついた。
この生活に窮屈さを感じていた。
欲しいものは手に入るが、何か満ちたりていなかった。
毎日、学校、塾、家の繰り返しだからだろうか。
一位でいなければならないという圧力をかけられているからだろうか。
私は窮屈さの原因を見つけられずにいた。
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