伝説のクイズ王

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伝説のクイズ王

「……視聴率とれるの?これ」 ネットトピックスをみてたら、春の新番組バラエティーで高校生クイズに出場した歴代に現役含むチームのバトル的な内容の放送が開始するという広告が目についた。 「……大学入試問題8割とニューストピックネタ2割で構成された出題を考案して出演したら売名行為になるし、参加するよね」 兄を見ていて思う。 学生時代になにかと成果を挙げていたら就職や起業でプラスになる。 「パーソナリティとクイズ問題制作、兄がしてるの!?」 実家クリニックのバイトを辞めて独り暮らしを始めたものの、兄がとやかく言ってこない事に、ありがたいが不安を感じていた。 出場チームは全国屈指の進学校3校の現役と歴代OBの対決。 「この番組、恩師に泣きつかれてでるわ。やらせなしで現役負かせて最終回で王者になれって、あんまり目立ちたく無いんだけどな」 結翔くんと兄は同い年。 結翔くんが高校生クイズで優勝経験があるとしたから兄が悔し涙を流した伝説になったあの闘いの優勝校。 「結翔くん、高校ってもしかしたら奈良県の薙高ですか?」 東京の人だと思ってたけど、もしかしたらと聞いてみた。 もしかしたら兄のクイズ仲間だった可能性もある。 「薙校。実家は東京だけど、居たくなくて中学受験で薙校受けて高2の夏まで寮生活してた。ちなみに開聖とか筑凪とかも偏差値的に合格できたが白紙で出したから不合格だった。母さん、泣いてたな」 小6で実家から出るために計画的に受験をした結翔くん。 名字からして初瀬工コーポレーションの創始者一族を 結翔くんも両親や親戚から何かと期待されて苦労したのだろう。 「高2の夏からは?」 「飛び級でマサチューセッツ工科大学に留学した。建築家として成功するなら世界中の建築学を学んだ方がいいと思って」 天才と言われてる人だから学歴や経歴がずば抜けているとは思っていたが、予想以上だった。
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