過労死寸前

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「あれ、美愛の兄さんじゃない?」 午後から行われた学会の講演会。 新宿のラグジュアリーホテルの会場で行われ、その後、ホテル内のレストランで紗智とアフタヌーンティーを楽しんでいたら、病院勤務を終えた兄、英世が高校生だとは思いたくないが若くて可愛い女の子とホテルの中に入っていくのが見えた。 「学習塾経営で勤務後深夜まで家にいないけど、もしかして、女遊びしてるとか!!」 専攻医研修で他の総合病院で研修を受けている5歳年下妹に実家クリニックの手伝いさせて休み暇を与えないのに、兄は就業後、学習塾の経営をしながら女遊びをしていた。 「英世ならだけに……ヒデーヨだね」 紗智のダジャレに笑えなかった。 兄こそ、32歳になるんだから有能な内科医の女医と結婚して実家クリニックの医師不足を解消して欲しい。
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