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一人暮らし
「お父さん、救命救急センターの仕事に専念したいから、クリニックの仕事を手伝うの辞めてもいいめすか」
兄ではなく、院長の父に許可をとる。
「そうだな。救命救急医の仕事は負荷が高い。英世が美愛に勉強のために実家クリニックの仕事を手伝わせるようにいわれたからさせていたが、過重労働になっていたよな。すまなかった」
父は私に実家クリニックの仕事を手伝わせる事を強要していなかった。
どちらかというと、働き詰めな私の事を心配してくれていた。
「もう1つ、お願いがあります。兄から離れて一人暮らしをしたいのですが許して貰えませんか」
今年で28歳になる。
医師見習いで多忙なのもあり実家暮らしをしていたけど、それにより兄に都合よく使われ、自由を奪われ人生を損した気がしてならない。
だから、実家から出たいと思った。
「構わない。その方がいいかもしれないな」
家を出る事も父は許してくれた。
善は急げで救命救急センターから徒歩5分のところにあるタワーマンションの賃貸物件を契約し、引越した。
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