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天才若手建築家
「美愛、明日、当直で午前中空いてるだろ。健康診断、手伝え!!」
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鬼畜な兄が私の部屋のドアを叩き、実家クリニックを手伝えと言ってきた。
「また!!前日に言うの辞めてっていつも言ってるじゃん!!」
次期院長になるらしい長男、英世。
イケメン精神科医と猫を100匹借りてクリニックの看板を背負ってる。
「仕方がないだろ、内科医足りて無いんだから。深刻的な医師不足なの。家族なら手伝え」
救急専門医と総合診療専門医のダブルボードで専攻医をしている私は、残業時間がカオスな救命救急センターに勤務している。
「……兄ちゃんはズルいよ」
心療内科に力を入れた実家クリニック。
学生時代にクイズの王者になった経歴のある兄は不登校外来とか思春期の子供の診療に力を入れていて、最近は学習塾を新設し経営を始めた。
「妹は働き蟻として酷使される運命なのね」
睡眠時間が平均3時間切ってる今日この頃。
深夜勤は患者がいないから仮眠できると思われてるが、高度救急救急医療センターなのもあり、常に待合室は患者で溢れてる。
救急車もひっきりなしにやってくる。
昼間家にいたら強制的に実家クリニックのヘルプに使われるし、ゆっくり休む暇もない。
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