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「美愛さん、このマンションに引越して来たんだ!!」
偶然という必然なのか、引っ越してきたタワマンの最上階に初瀬社長ではなく結翔くんは住んでいた。
中堅ゼネコンの社長だから自社が建築したタワマンの1番良い部屋に住んでいてもおかしくはない。
「同じマンションならいつでも会えるな」
「……そうですね」
結婚を踏まえたお付き合いを開始したものの、結翔さんは多忙極まりなく、会うどこらか連絡を取り合うのもままならなかった。
「睡眠不足と過労でまた倒れますよ」
「その時はまたよろしくお願いします」
結翔くんがマンションに帰宅した時にタイミングよく私が家にいたら、どちらかの部屋を行き来し、共に時間を過ごした。
「夢じゃないです。現実です」
「ごめん、……寝てしまった」
激務で疲れてるのもあり、結翔くんは気を失ったような寝落ちをする。
起きた時に理性を失ってたらどうしようかと慌てるも、本能に支配される事はなく、平然としていた。
「ご飯作ったので一緒に食べよう」
「美愛さんの手作り!!ありがとう!!」
実家暮らしで家政婦さんが作った料理を食べて育ったから、自炊なんてした事はない。
「美味しい。嬉しい」
レシピサイトを見ながら作ったから、激まずは今のところまのがれている。
作ったのは、ハンバーグとポテトサラダ。
手料理を喜んで食べてくれるのが嬉しい。
結翔くんとの交際は順調。
私の事を可愛がって大切に扱ってくれてるのがわかるからか、自然体でいられた。
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