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ミニチュアの魅力は恐ろしい。ベッドのサイドテーブルで、僕は世界を生んでしまった。
きっかけは、アンティークショップでミニチュアの街灯を買ったことだった。ランプのところが小さい豆電球になっていて、就寝前の読書用にぴったりだと思ったのだ。
だからそれは、ベッドのサイドテーブルのところに置いた。夜、電気をつけてみると、思ったよりも頼りない明かりではあったが、本が読めないことはない。ミニチュアだったので値段も安かったし、いい買い物だったな。そう、ひとり満足して眠りについた。
ところが、一週間ほどたった頃だろうか。街灯のところにふと、動く影が見えた。人間。ただし街灯とおなじ倍数でサイズ縮小した人間、つまり小人である。
ああ、小人か、と僕は思った。この家に引っ越してからというもの、屋根裏がカサコソうるさかったけど、ねずみじゃなくて小人が住んでいたらしい。
駆除してもよかったけれど、僕はそのまま様子を見ることにした。いやだ、気持ち悪い。と言う人もいるかもしれないけれど、ねずみだってかわいいと言って飼う人もいる。別に小人が嫌いじゃなくても、悪いことではないと思う。
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