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突然の巨大な手の登場に、小人たちは動揺している。右往左往して、真っ暗な僕の手を見上げている。
ばれてしまったか……。だが仕方がない。小人たちよ、思い知れ。ここは新大陸でもなんでもない、ここは僕の部屋なのだ。
上の住民があわてて僕に銃を向けたが、消しゴムなのでフスン、くらいしか響かなかった。驚いた別の小人が、ブックエンドに銃を向ける。スコン、消しゴム弾は力なくテーブルの上に落っこちた。
「残念でした!」
ぷっと吹き出して、僕は思わず嫌味を言ってしまった。すると、ぷっと吹き出したその息で、何人かの小人が吹き飛ばされそうになった。それに僕の声も小人には大音響に聞こえるようで、何人かが卒倒した。
やばいやばい。僕は口を押さえて、後ずさった。小人たちは明らかに僕を見ているのだけど、どう見えているのか。攻撃は、してこない。動く山か何かのように思っているのだろうか。
でも、違う。僕は雲でも山でもない。誰あろう、僕は、この部屋の主だ。それはつまり、この部屋にあるものすべての主ということでもある。
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