街灯

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 だから、僕の考えに小人たちも従わなければならない。このブックエンドを小人たちは、突破できない。「してはならない」のだ。僕の意に反する行為は、何小人も許されない。もしも従えないのなら……。  しぶしぶといった様子で、上の住民は銃を下ろした。そして、家のある者はそれぞれの家に帰っていった。帰らない者は、宿なし、つまり、上の住民ではないということだろうか。では下の住民か。上の住民に、雇われでもしたのだろうか。  ブックエンドの向こう側では、下の住民たちも散り散りになっていた。ある者は上にとどまり、ある者は下へ降りていった。負傷した小人は、救急小人が手当てをしていた。死んだ小人は、別の救急小人が祈りを捧げていた。人間ならば埋葬するか火葬するものだろうが、あいにくサイドテーブルには土もなく、炉もなかった。僕が片付けるほかないのだろう。  ブックエンドの向こうには上の住民の家はなく、メガネケースも本もない。ただ街灯とベンチ、テーブルだけがあった。  そう、最初は何もなかった。すべて、この街灯から始まったのだった。  そして、僕はあの恋人の姿をやっと見つけた。
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