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しかも銃にこめているものは何かと見たら、あれは僕の消しゴムである。いつの間に消しゴムをサイドテーブルまで運んだのだろう。消しゴムを二人一組で適切な大きさに削って、せっせと「弾」を量産している。
これがマッチとか火の気のあるものでなくてよかった、と僕はある意味安堵した。いや、油断はできない。もしかしたらすでにやつらは、本物の銃弾もどこかに隠し持っているかもしれない。銃があるのなら、当然弾もセットだろう。あの消しゴムには何の威力もないことに気づく前に、火の元を何とかしておかなくては。
しかし、僕は消しゴムの潜在能力を甘く見ていた。上の住民が銃を撃つ。すると、たちまちのうちに二、三人の小人がぶっ倒れた。そしてそのまま動かない。死んでいる。
え。死んでる?
と思う間もなく、スコン、スコンと連続で銃が放たれる。そして、どんどん小人が死んでいく。驚いた小人たちが、散り散りになって上から逃げていく。足がもつれて、サイドテーブルから落下する。落ちた小人は、ぴくん、ぴくんと虫の息だった。
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