覗くな

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 学校帰りに通った工事現場。そこの壁にコンクリートに穴が開いていて、側には一言だけ『覗くな』。  むしろ逆効果。こんなの、誰だって覗くだろ。  どうしても覗かれたくないら、穴の前に板でも打ちつけておけばいいのに。  そんなことを考えながら、罪悪感など微塵もなく穴を覗いた。  見えたのは、こちらを見てくる大きな目玉。  慌てて覗くのをやめたから、目玉とはそこでおさらば。  …俺はそのつもりだったのに。  あれ以来、ずっと何かに見られている気がする。視線につきまとわれている。  仕事の時プライベートも、常に感じる強い視線。  覗くなとあったのに覗いたから、ずっと生活を覗かれている。…ああ、俺が悪かったのは承知してるけど、気が変になりそうだ。 覗くな…完  
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