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おねえ、ちゃん
私には、大好きなお姉ちゃんがいる。
「おねぇちゃ〜ん!」
「久しぶりね!梓!」
名前を、羽南という。女の子にしては、少し違和感のある漢字が使われているその人は、いつも優しい。
「今日はね!おかぁさんと一緒に、ハンバーグを作ったの!」
「へぇ〜、美味しそうだね!私も食べたいなぁ」
「じゃあ、家においでよ!」
「でも、お母さんが困っちゃうんじゃない?」
「だいじょーぶだよ!おねーちゃんだもん!」
でも、一つだけ変なとこがある。
「おかーさん!ただいま!」
「……お邪魔します。」
「あらあら、お帰りなさい。……貴女も、上がって。」
母親とその人は、仲が悪いのか、どこか余所余所しい。何故だかは、知らない。けど、私は仲良くなくても良いと思う。だって、二人共、私には優しいから。
「いただきま〜す!」
「……いただきます。」
だから、食事のときに話しているのは私くらい。でも、それでいいんだ♪だって、二人共ニコニコしながら話を聞いてくれるから!
「おねーちゃん、遊ぼうよ!」
「ん〜、今日はもう寝ようか。明日も学校なんでしょ?」
「うん!でも、おねーちゃんともっと遊びたいんだもん。」
「そしたら、添い寝をしてあげるから、それで我慢して。」
「う〜、わかった……。」
食後はお姉ちゃんと遊ぶのがお決まり。でも、今日は遊んでくれないみたい。その代わり、添い寝はしてくれるって!遊べないのは残念だけど、今度遊べばいいよね!
「おやすみ、梓。」
「おやすみなさ〜い!」
疲れていたのか、すぐに寝ちゃったみたい。起きたら朝になってて、びっくり。お姉ちゃんはもう行っちゃったみたい。……残念。遊びたかったのになぁ……偽物と。
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