復讐を誓った港

1/1
前へ
/4ページ
次へ

復讐を誓った港

 私は、短気な元婚約者の言いなりだった。  旅行を断ると「キャンセルは、宿にも船にも迷惑。金だけ払え」ですって。  体調不良をうったえても、私の心配なんて一切ない。  なのに、家のために婿入りしてくださるのだから、尽くすべきだと、本気で思い込んでた。  元婚約者の帰港を待ってる時に、聖騎士がいた。  聖騎士にも、聖女の婚約者にも、顔で選ばれたって噂なだけあって、凄い美貌───  突然、聖騎士が目を見開いて驚く!  視線の先を追って、私も目を疑う!  聖女が私の元婚約者と、いちゃいちゃ船を降りてきたから。  さらに驚く! 「聖女様の身体はふわふわで柔らかいんだ」 「やだぁ。もう。きゃっ」  元婚約者も聖女も、浮気を悪びれもしない!  私のお金で、元婚約者は聖女と南国バカンスを満喫したのよ?  普通は、慌てふためいたりするじゃない?  わぁ。聖女って、頭と身体がゆるゆる──── 「大丈夫ですか? お送りしましょう」  心配そうに聖騎士は、茫然自失の私におっしゃいました。 「馬車は置いていけ」  元婚約者は、自分を心配して私に吐き捨てた。  この瞬間、やっと私は、己の不甲斐なさを自覚!  復讐はここから始まった────
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加