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だが、次の瞬間、ーー
ブッブー!!
車のクラクションが鳴り響き、真正面の大通りから、ダンプカーが勢い良く、古民家に突っ込んできた。
その際に、僕は意識を手放していた。
隣で、「うわ!?」と言う同級生の声だけが、微かに聞こえていた。
※※※
その後に、僕達が揃って気がつくと、病院のベッドに横たわっていた。傍らには、それぞれの親達が付き添っていた。
親達の話では、特に僕らの身体に怪我もない。またお医者さんからの検査も終わっていたとのことである。
どうやら怪我をしたのは、居眠りしていた運転手くらいらしい。
もう既に、あらゆる事が終わっていたのだった。
ただ同時に、僕らは顔を見合せながら、一緒に呟く。
「「あの、お婆さんは?」」
その問いに、誰もが首を傾げるのだった。
※※※
それから後日、ー
僕らは、再び「偽物屋」のあった場所を訪れた。
だが、そこは工事中の立て札と共に、工事現場の人がショベルカーで、古民家を壊している最中だったのだ。
すぐに僕らは工事現場の人達に訪ねてみる。
「ねぇ、此処にあった偽物屋は?…店主のお婆さんは?」
「はぁ?…そんな店なんてないぞ、…此処は二十年も前から空き家だから。」
しかし、彼らも首を傾げながら答え、否定してくるだけだ。
しかし、「「でも、」」と僕らは食い下がり、ポケットから買った人形を取り出して見せてみた。
ただ、工事の人も人形を見てみたとて、「ただの人形じゃないか。」と言うだけで、一蹴してくるだけだった。
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