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翌日、父にお願いして車で静岡県立美術館に行って、ダチョウの雛を受け取った。
壊れた私の卵アートの作品は、美術館の職員にお願いして、処分してもらうことになった。
私は父にお願いして、そのまま車で山梨県にあるダチョウを飼育しているファームに行ってもらった。
ファームには、事前に電話で連絡してあって、ダチョウの雛を受け入れてもらえることになっている。
静岡市から車で1時間30分程度でファームに到着すると、ファームの経営者の男性が迎え入れてくれた。
私はダチョウの雛を渡すとファームの男性が、
「大切に育てますよ!」
と言葉をかけてくれた。
「よろしくお願いします。」
私はファームの男性に、ダチョウの雛のことをお願いした。
私は何となくダチョウの雛と別れるのが名残惜しくて、少し涙ぐんでしまった。
「元気でね!」
私はダチョウの雛の頭をなでながら言葉をかけた。
車に乗り込んだ私は、ファームの男性と手のひらの上のダチョウに手を振った。
車が富士宮の自宅に向かって走り出し、1時間ほどすると朝霧高原に入って、左手に雄大な富士山が見えてきた。
私の卵アートは壊れてしまったけれど、新しい命が誕生したことを喜ばしいことだと思った。
私はこれからも造形物のアート作品を作りたいと思っているけれど、卵アートはもうやめようと思った。
高校を卒業した頃に、私は山梨のファームに足を運んで、ダチョウの雛の成長を見に行こうと決心した。
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