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第一章 『大蛇神の蛇使い』 1.大蛇神あらわる
1.大蛇神あらわる
十一月十二日(月曜日)
「お~い、奥方様! 大沢家の大沢早苗さんはいますか。いたら返事をして下さい!」
「そっちの林の方は探したのか?」
「いや、ここにはいない用だ」
「ならこの山の一番上にある蛇神神社の社前の方を探した方がいんじゃないのか」
現在外の最低温度は約5・9度。そんなまだ日が昇らない暗い山道を数人の男達が何かを探しながら慌ただしく登って行く。
大きな声を上げながら必死に探す男達の手には懐中電灯がしっかりと握られており、そのライトから溢れる光だけが闇夜に広がる森をか細く照らす。
途中、山の麓にある駐車場からこの小高い山頂まで地道に歩いてきた男達は、砂利と土がむき出しになっている舗装されていない山道を歩きながら、今現在行方不明となっている中年女性の行方を懸命に探す。
移動中大きな木々が風で揺れるたびに密集している小枝がざわめき、その音と連動するかの用に獣がどこからともなく鳴き声を上げる。そんな闇夜に生きる獣達の声を聞きながら男達はやっとの思いで今は誰も訪れてはいない古びた社へとたどり着く。
その廃墟と化した佇まいを見た瞬間男達の表情は不安と恐怖で顔面蒼白となり、今にも逃げ出したい衝動へとかき立てられる。
それもそのはず、この場所は地元でもかなり有名な心霊スポットであるのと同時に、その昔蛇神様を祭る為に作られた神聖な場所だったからだ。
数年前に起きた(以前この社に住んでいた)神主の自殺により、今は誰も住んではいない寂れた廃墟へと成り果てていた。
そんな不幸があったせいかは分からないが神聖だったはずの神社は捨て置かれ、今は人が誰も寄り付かない恐ろしい場所へと変貌を遂げている。つまりこの周辺に住む村人達の手により、この聖域は完全に見捨てられてしまっているのだ。いや、もっと詳しく言うなら無闇に近づけないというのが正しい言い方だろうか。
それ以降その地に安易に近づく者には蛇神様の呪いが降りかかり無残に殺されてしまうという噂がまことしやかに囁かれ始めていた。
だからこそ村の人達はその社に住まうとされる大蛇の神、蛇神様の祟りを異常なまでに恐れ、そして警戒している。そうここはそんな禁じられた場所なのだ。
地元の村人達なら誰もが躊躇するこの場所へ来たのにはそれなりに理由がある。それは今現在行方不明となっている大沢家の奥方・大沢早苗が蛇神様の祟りを受けて失踪しているのではないかという噂が囁かれていたからだ。
その噂を真に受けた捜索隊の村の男達は、もしかしたらこの蛇神社内で(何らかの理由で)身動きが出来ない状態になっているのではないかと信じ、この社周辺を捜索に来ていたのだ。
時刻は翌朝の四時丁度。本来行方不明者の捜索は二重遭難になる為夜はやらないのがセオリーなのだが、ここにいる人達は皆この村の有力者でもある地主が声をかけて集めた素人同然の村の男達である為、専門的な知識や危険は度外視で夜間でも立ち寄りそうな場所を丹念に探す。そんな彼女が立ち入りそうな場所を散々探し回った結果、村の男達が最後にたどり着いたこの蛇神神社こそが、まだ誰も探してはいない手づかずの最期の地なのだ。
今にも朽ち果てそうな古い材木で辛うじて建つその社は、不気味さと重々しい雰囲気を漂わせながら目の前にその存在感を現す。
そんな社の隣にあるそれなりに大きな庭には人工的に作られた(広さにして畳み二十枚分の)大きさの溜池があり。その池に溜まっている水は流れが無いせいかひどく濁り不衛生な泥沼へと化していた。
昔は観賞用の鯉などを飼っていたという噂もあるが、今は魚の姿は全く確認出来ない。その池の中に流れ落ちる水の音だけが異様に強調され、周りの恐怖を更に引き立たせる。
そんな今にも息が詰まりそうな異様な雰囲気に誰もが口を噤む中、池の辺りを遠目で眺めていた捜索隊の筆頭を務める大沢家三男『大沢柳三郎」が静かに喋り出す。
「しかし、しばらく来ない内にこの神社も随分とボロボロになった物だな。子供の頃に何度か来た事はあるが、その頃は赴きのある綺麗な神社だったのだが。数年前にここの社に住んでいた神主さんが自殺してからは皆この場所を敬遠して誰も足を踏み入れなくなったからな。仕方の無い事だが、ちょっとこの光景は衝撃的だぜ」
「地元に住んでいる柳三郎さんでさえそんな感じなのですか。俺なんか初めてこの神社に足を踏み入れましたから怖くて仕方がありませんよ」
顔を引きつらせそう応えたのは、黒い革ジャンを着た茶毛頭の青年『池ノ木当麻』である。
「確かにこの社の現状はちょっといただけませんね。これではここへ住まわれる蛇神様が余りにも哀れという物です。ここへ訪れる者達を呪い、絶えず災いをもたらすのは寧ろ当然だと思います。ちゃんとした別の社に蛇神様を移さないと今度はどんな災いを起こすか分かりませんよ。でもこれを機に神聖なる蛇神様の社へ来る事が出来たのは寧ろ良かったというべきでしょうか。この神聖なる地へ足を踏み入れる機会はそうはありませんからね」
社の現状について熱く語り出したのは青いスーツ姿の青年『宮下達也』だ。彼はこの村で密かに信仰されている熱心な蛇神信仰の信者だ。勿論蛇神様の存在を盲信的に信じている。その宮下達也がまるで口火を切ったかのように話し出す。
「これは明らかに蛇神様の呪いです。奥方様は間違いなく蛇神様の祟りを受けて呪われてしまったのです。一年前にこの神社内で死んだ、あの伊藤松助さんと同じようにね」
淡々と話す宮下達也の言葉に、大沢柳三郎と池ノ木当麻を始めとした数人の男達が皆一斉に青ざめる。
「ふ、不謹慎な事を言うなよ。あの松助さんが一年前にこの同じ場所で不審な死を遂げたからって奥方様も同じようになるとは限らないだろう。もしかしたら何か特別な用事が出来て仕事の関係上身動きが取れないだけかも知れないじゃないか」
「そうだぜ、何かトラブルがあって連絡が出来ないだけかも知れない!」
「そうでしょうか。奥方様が行方不明になってあれからもう三日が経ちましたが、あの時間に厳しい奥方様が全く連絡してこないだなんて絶対に無かったことです。ゆえに無性に何か嫌な胸騒ぎがするのです。奥方様は仕事の関係上、少なからず大蛇神様の怒りを買っているでしょうからね」
「勝手なことを言うなよ、宮下さん。大蛇神なんて実際にいやしないし、あんなのはこの村に伝わるただの迷信だよ。呪いなんてある訳が無い。それにここの神主が自殺したのは奥方様が経営する街金会社からお金を借りた借金苦からじゃないか。いわば自業自得だろ。恨むのは筋違いと言う物だ」
淡々と語る宮下の『奥方・大沢早苗失踪の呪い説』に、近くで聞いていた他の男達が皆一斉に反論の声を上げる。そんな彼らの着ている厚手のジャンパーの胸元に会社のロゴが入っている事から、何処かの会社の従業員である事が直ぐに分かる出で立ちをしていた。
「と、取りあえず、もうちょっとこの周りを丹念に探して見ようぜ。何か手掛かりが見つかるかも知れないし」
「分かりました。じゃ俺達は溜池の周りをもう少し探して見ます」
従業員達が皆これからどうするべきかを互いに話し合っていると、薄暗い溜池周辺を何気に見つめていた柳三郎が突然何かに気付く。
「溜池のほとりの前にあるあの物体……岩か何かだと思って気付かなかったが、あれは一体何だ……?」
まだ薄暗さを残すその一点を凝視しながら足を二~三歩進めたその時、柳三郎の着ていたジャンパーの内ポケットがブルブルと震え出す。
ブル~ブル~ブル。ブル~ブル~ブル!
突然の振動にびっくりした柳三郎が内ポケットに入れていたある物を取り出すと、更に緊張した顔でその先にある物体の方に目を細める。
「俺の持っているペンライト型のこの受信機が震えるって事は……まさか母さんがこの近くにいるって事か?」
不安と期待を混同させながら溜池のある方に更に足を一歩踏み出したその時、その物体の正体に気付いた柳三郎は首筋に冷や汗を掻くと思わず絶句する。
「ま、まさか、母さん……あれは本当に俺の母さんなのか。し、死んでいるのか? まさかこんな事になっているなんて、まさか不運な事故なのか……それとも恨みを持つ誰かに殺されたとか……もしも殺されたとするのなら、一体誰がこんなひどいことをした。母さん……母さん……うわわあぁぁぁぁぁぁ!」
「柳三郎さん、落ち着いて下さい。おい宮下、池ノ木、あれが奥方様(大沢早苗さん)かどうか今すぐ確認してこい。それと今現在別の所を捜索中の杉一郎さんと宗二郎さんにも至急連絡を入れろ。早くしろ!」
冷静さを失いその場に泣き崩れる柳三郎に寄り添いながら、この中では一番年長者の『小島晶介』がテキパキと指示を下す。遺体を確認に行った二人の沈黙からも分かるように、赤いパーカーの下に昔流行ったボデコンの衣装を着たその中年女性の遺体は三日前に行方不明となっていた大沢早苗である事に先ず間違いはなかった。
大泣きしながらも大沢早苗の亡骸を確認に行こうとする柳三郎を他の男達が必死に止める。そんな柳三郎をその場にいるみんなに任せ既に死体と化している大沢早苗の傍へと向かった小島晶介は、現在死体の確認をしている宮下達也と池ノ木当麻の前に早々と立つ。
「それで、死因は一体何だ」
「お、恐らくですが、首の辺りを何か強い力で圧迫されて絞め殺されているみたいです」
「絞め殺されているって、人の手で首を締めたのか?」
「いいえ、死体の首には指の後がありませんから恐らくは何か道具を使ったと思われますが、それが一体何なのかは全く分かりません」
「素手じゃ無いのなら、普通に考えて紐状の何かじゃ無いのか」
「この首全体に広がる圧迫痕から見て、どうやら素手でも紐状の物でも無いようです。もっと首全体を包み込むような大きな何かで絞められたみたいですが、それが一体何なのか今の所は全く分かりません。そんな訳で後の事は警察にでも任せるとしましょう」
目を開けて絶命している大沢早苗の瞼をそっと手で閉じると、池ノ木当麻は小島晶介の質問を冷静に返す。
その隣では神妙な面持ちで黙り込んでいた宮下達也が自分の思いを口にする。
「この首に出来た圧迫痕、これは間違いなく大蛇が奥方の首に巻き付き絞めつけた際に出来た索状痕の後です」
「お、お前もやはり気付いたか。実は俺も……もしかしたらこの首筋の跡って大蛇に締め付けられた時に出来た跡なんじゃないかと思っていた所だ」
「まさか小島さん、あんたの所で飼っている大蛇が外に逃げ出したんじゃないだろうな」
「いいや、それは無いな。昨日の昼に蛇園で大蛇と呼ばれる類いの蛇を全て調べて見たのだが、特に脱走したニシキヘビは一匹もいなかった。よしんば逃げ出したとしても今は肌寒い(最高気温が十二度から~最低温度が六度の)十一月頃だぞ。そんな肌寒い山の中で主に熱帯の密林に生息する大型の爬虫類が生きて入られるとはどうしても思えないのだが」
「流石は蛇マニアの小島さんだ。相変わらず蛇には詳しいですね」
「ははは、大蛇神の蛇神を信仰するあんたにだけは言われたくはないのだがなぁ」
「でも蛇は蛇でしょう。同じ蛇好きとして小島さんもこれを機に蛇神様を信仰しましょうよ」
「いや、お断りだ。宗教に興味はないし」
不気味な笑みを浮かべながら互いの思想を語り合う小島と宮下は、どちらも自分の考えを譲る気は全く無いようだ。そんないきり立つ二人を見ながら池ノ木は、半ば呆れ顔で大きな溜息をつく。
「小島さんに宮下さん、いい加減にして下さい。人が一人亡くなっているのですよ。しかも一年前に亡くなったあの伊藤松助さんと同じ現場と……そして同じ死に方で」
「そうだったな、肉親の柳三郎さんもいることだしな、不適切な発言は『今は』控えようぜ」
「そ、そうですね。大蛇を思わせるあり得ない殺し方に、ついうっかりしていました。本当にすいません」
そう申し訳なさそうに言うと溜池の方を何気なく見ていた宮下が何かを見つめるように数秒ほど沈黙する。
だがその見つめた先に何かがいる事が分かると宮下はその震える人差し指を視線の先の方へと向ける。
「な、なんだ、あれは、あれはまさか!」
宮下が見た溜池のその奥は急な坂になっており、その坂の高台から口を空ける(円形にして百二十センチくらいの)土管型の丸い穴からはわずかばかりの水が力無く流れ落ちる。どうやら昔はその用水路の穴から勢いよく水が出ていたようだが、今はその名残が悲しく現状を見せつける。
そんな薄汚れた用水路の穴の中から突き出ていた、長く……そして大きな何かが急に動き出した事で、宮下を始めとした数人の村人達が皆一斉に視線を向ける。
「なんでしょうね、あれは?」
何気に話し出した池ノ木の声を合図に、近くにいた柳三郎と小島はその正体に気付くと思わず絶句し。そして大蛇神の存在を盲目的に信じている宮下に至っては、その衝撃的な光景に驚きと興奮を隠しきれないでいるようだ。
「へ、蛇だ、あの大きさと下半身の長さから想像するに優に数十メートルはある巨大な大蛇のようだ。正に大蛇神と呼ぶに相応しいそんな神々しいお姿だ。でもまさかあんな巨大な大蛇が本当にこの蛇神神社の内にいたとは驚きです。俺は今猛烈な感動と驚きで体が震えています。あの蛇神様が遂にそのお姿を表し、自らを体現されたのですね。ああぁ~大蛇神様……大蛇神様ああああぁぁ!」
「あれが大蛇だとう……この距離じゃ暗くて良く見えないぜ。もっと懐中電灯を近づけて見ろよ」
「この寒い季節に蛇なんて……大蛇なんているはずがない。きっと何かの見間違いだろう」
第一発見者の宮下とは違い、小島と池ノ木は大蛇の存在を必死に否定していたが、暗闇で蠢くそれが何かの生物である事を内心では否定することは出来ない。なぜなら今目の前で確実に何かがうごめいている事実を目撃してしまっているからだ。つまりその生物らしき物が大蛇である事を二人は認めるしかなかった。
今、宮下達が何気に語ったその大蛇は、胴回りの太さだけでも円形にして八十センチくらいはある大きさだと想像される。つまりその大蛇の太さは今逃げ込もうとしている(円形にして約百二十センチ)の用水路の穴よりも少しばかり小さいくらいだと言う事が見て直ぐに分かる。
その目の前に見える巨大な大蛇が懐中電灯の光に急かされるかのように勢い良くその長き巨体を用水路の土管の中へと移動させて行く。
「ば、馬鹿な、信じられない。あれは間違いなく巨大な大蛇だ。あんな大きな蛇がこの日本にいるなんて、先ず有り得ない事だ?」
「目測の大きさからして、大蛇の胴回りは、八十センチくらいはあるかな。そして長さは……もう既に半分以上は用水路の穴の中に消えているからよくは分からないが、恐らくは十数メートルはあると見た!」
「宮下さんに小島さん、いい加減にして下さい。蛇の大きさなんてこの際どうでもいいですよ。そんな事よりも、あんな不気味で恐ろしい大蛇が本当にこの草薙村周辺にいるなんて未だに信じられませんよ。まさか本当に宮下さんの言うように大蛇神とやらの呪いじゃ無いだろうな」
「分かった池ノ木、そう怒るなよ」
ズルズルと音を立てながら用水路の穴の中へと消えて行く大蛇を遠目で眺めていた柳三郎・池ノ木・小島・宮下の四人とその他の若者達は、その信じられない光景を目に焼き付ける。
「……?」
それから数秒ほどして大蛇がその姿を完全に消したのを見届けると、宮下は感無量と言う様な顔で地面に転がる大沢早苗の死体をまじまじと見る。
「まさか本当にあんな巨大な大蛇が存在するなんて、正直驚きです。過去に何度か目撃したという村人達の噂は聞いてはいましたが、この目で直にその存在を確認できたのは今日が初めてです。やはり大蛇神様は本当に実在したのですね。これは正に神の奇跡……いや、その神聖なる存在を愚かな人々に見せつける為の一種の具現化だ!」
「いやいやいや、こんなのは流石に有り得ないだろう……と言いたいところだが、たった今実際にこの目であの大蛇を見てしまったのだから、これは信じるしか無いだろうな。しかしあんな巨大な大蛇がこんな間近にいたんだから、奥方の大沢早苗を絞め殺したのは、やはり先ほど目撃したあの大蛇で間違いはないだろう。これは直ぐにでも罠を張って捕まえないと大変な事になるぞ!」
両腕を強く組み大蛇の話をする小島の前に、目尻を赤く腫らした柳三郎がゆっくりと立ち上がる。
「柳三郎さん、心中お察しします。奥方様の死にまだショックは隠しきれないでしょうから、余り奥方の死体は見ない方がいいと思います」
「そうですよ、ここは我々に任せて下さい」
「ありがとう、だがもう平気だ。それよりこの死体が本当に母の遺体かどうかを俺にも確認させてくれないか。そうしないと俺も、ここから先に進めないから」
柳三郎は地面で冷たくなっている(母親の)大沢早苗の死を確認すると目を伏せ静かに両手を合わせていたが、しばらくして気持ちが固まったのか宮下・小島・池ノ木の三人に対し堂々と指示を出す。
「この事は既に警察には知らせてあるから直ぐに警察は来てくれるはずだ。それとあの大蛇を何としてでも捕獲するぞ。あの大蛇を捕まえる為の大きな罠をこの辺り周辺に沢山仕掛けるのだ。それと猟友会の人にも協力を頼もう。場合によってはあの大蛇を殺さないと行けないかも知れないからな。あんな恐ろしい殺人大蛇をこのまま野放しにしておく訳には行かないだろう。また第三~第四の犠牲者が出るかも知れないからな」
「わ、分かりました。直ぐに取り掛かります!」
鬼気迫る柳三郎の怒りと覚悟に圧倒された三人は、その悲しみから来る迫力にただ無言で頷くしかなかった。
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