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「二度とやりませんと言いつつ、何度もやったじゃん」
と、パーカーにジーンズの大柄な男、由貴が後ろから冷静に指摘する。
「そやなー、何度やったっけ?」
と虹雨が呆れた様子で続ける。
「人気の除霊系動画配信者の俺を偽って、ファンの女の子にDM送って誘い出して、悪さをしたんやろ?」
虹雨の口調が次第に鋭くなっていく中、縛られたニセモノたちはますます恐れおののき、一人はとうとうズボンからじわりと尿を漏らした。
「ひあいいい」
と、声を震わせながら叫ぶ。
「ちゃんと言えや!」
虹雨が怒声をあげる。ニセモノたちはびくついた。
その背後で、由貴は冷静にカメラを回しながら、状況を録画している。
「まぁ、口調だけは落ち着け、虹雨」
虹雨は一瞬黙った後、深いため息をついて、にっこりと微笑んだ。
「じゃあ、丁寧な言葉でニセモノさん達にお説教しなきゃねー」
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