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夕方、とある喫茶店。秋から冬へと向かう外はすでに暗く、静かな夜の気配が満ちている。
営業時間を終えた店内の一角、黒スーツにサングラスをかけた男が椅子に腰掛け、その前でパーカーにジーンズ姿の大柄な男が椅子に縛りつけられ、必死に命乞いをしていた。
「許してください! 二度としませんから!」
そこへ二人と同じ黒スーツ姿だが、チープな模倣ではなく上質な素材の服をまとった二人が歩み寄る。
その中の一人が、冷ややかに口を開いた。
「やぁ、ニセモノさん……ようやってくれたなぁ」
それは、黒スーツの男、虹雨だった。
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