II

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 翌日。出社するとプログラマーの日高(ひだか)さんが駆け寄ってきた。彼の趣味は小説執筆である。 「おはよう、木之下くん。私の新作小説を読まないかい? “思わせぶりな王女に振り回されていますが、むしろご褒美です”。ふふ、流行りのなろう系タイトルに挑戦しーー木之下くん?」 「気があるような態度をして良いのは二次元だけです!」 「?」 (白峯さん、寿退社ってことは付き合ってる人居たんだ)  僕みたいな非モテに対して紛らわしい態度は慎んでほしい。  あの衝撃発言の後、白峯さんは誰かに呼び出されて帰ってしまい、僕は豪華客室にある大手寝具メーカーの特別製ベッドで一人熟睡した。  社会人としての白峯さんはこの会社のエースでで売上の4割を持っている。そんな白峯さんが寿退社で会社を辞めるなんてーー (えぇ!? 白峯さんがステラデザインを辞める!?) 「......。」 (辞める!?!? ステラデザインを!?!?)
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