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シークレットベース
大広間にはローブをまとった六つの盾が四人倒れていた。部屋の壁には様々な宝飾品が飾られていた。
「思った通りだ。貴重品は全部、身の回りに置いている」
さらに奥の部屋へと続く廊下には六つの盾二人が倒れていた。突き当りの赤い革張りの扉はダンテの部屋だろう。
俺は逸る気持を抑えて、入ってきた時と同じように音察器を取り出すと指で弾いた。手前は書斎で、奥はベットルームらしい。ベットルームには倒れている人影があった。俺はついに目的へと辿り着いたんだ。
「これは奇跡か!」
俺は思わず声を上げてしまった。赤い革張りの扉を抜けた先には、壁一面がガラスケースになっている部屋があった。見るからに強力そうな魔道具がずらりと並んでいる光景に、しばらく圧倒されてしまっていた。部屋の中央に目を向ければ、これまた貴重そうな魔術書が納められた陳列台があった。その中には俺でも知っている禁書も含まれていた。まさに宝の山だ。
俺は魔道具無限収能箱を取り出すと、もう気にせず歓喜の声を上げてケースの物を盗りはじめた。
「これは情報以上の収穫だ。ありがとよヴィンセント。せいぜいダンテとヘキサシードから逃げ延びてくれ」
ヴィンセントの名を口にして、一応ダンテが眠っているのを確認しておこうとベットルームを覗いた俺は、その場で立ち尽くした。
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