百舌のツガイ

　その後、雄一とまみは正式に交際することになった。まみは積極的で、雄一はたじろぐばかりである。交際して半年で同棲し、まみからのアプローチがすごく一年で結婚することになった。

　「仕事の関係で別姓がいいの。ごめんね？」

　同じ姓を名乗る意義が問われる時代だ。雄一は特に疑問視することなく受け入れた。雄一も仕事の取引で名前を使うことが多いため、互いに戸籍上の名前を変えず、事実婚という形をとった。これも今の時代ではありえることだと、雄一はおもった。
　事実婚とはいえ、結婚をするのだ。両親の顔合わせをと思ったが、まみの両親は事故で他界していた。それは中学の時からで、雄一も既知の事実であった。だから、雄一の両親にまみを紹介し、結婚式は親のいないまみが可哀想と、雄一の両親がウェディングの写真だけにしときなさいと提案した。それもそうだと雄一は納得し、まみは雄一の両親の対応に感謝していた。

　なんやかんやで、雄一の人生は大きく動き始めた。