2、コロナ

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翌朝、9時。 ユウギの部屋のドアを 乃愛は遠慮がちに叩く。 それでも金属のドアは コンコンと静かな廊下に響いた。 ヘルパーさんの入る段取りがついて 今日はユウギと江ノ島水族館に行く。 ドアの前でしばらく待っても 中はシンとしている。 2、3分待って もう一度、叩く。 おはよーと送ったラインも既読が付かない。 部屋の静けさに 乃愛の胸はドキドキと脈打つ。 (ユウギ、起きて!) 何か…無性にイラつく。 あの、民生員が来た 夕方の光景が思い出されたからだ。 キッチンの小窓は開いているらしく カフェカーテンが微かに揺らめいている。 小さな乃愛は背伸びをして覗くと 部屋の中はカーテン越しにも もうすっかり昼のような光が差し込み 仕切戸が開け放たれて寝ている部屋まですっかり見えた。 そして乃愛は 今まで 敢えて、しないようにしてたこと…をした。 つまり 目を凝らして 中の様子をうかがった。
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