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チャーハンを食べ終わり
ユミは、食後の薬の水を汲もうと
コップを持ってに立った。
右足にスリッパを引っ掛けようとしたが
つま先が上がらず
スリッパはどんどん遠のいてしまう。
片足でバランスを崩し、
ずるりとテーブルの下に潜り込むように崩れ落ちた。
咄嗟にユウギが立ちあがる。
床に仰向けに倒れ込んだユミの
脇の下にヒョイと手を入れ
引きずり出して椅子に座らせる。
一瞬の出来事だが、ユウギは手慣れていた。
ユミの後遺症は明らかに悪化している。
右目の瞼は殆ど、仏像ように半眼で
右足はひきづっている。
「今日は調子悪いね」
ユウギが言うと
ダイジョブ、行っておいでよ
とユミは首を振った。
「今日は無理だわ」
ユウギが、乃愛に振り返る。
「明日は?
明日ならヘルパーさん頼めると思う」
ユミの言葉に、ユウギは答えなかった。
日によっては、
トイレも1人で行けない時があるらしい。
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