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オレンジ色の花柄の布団を
ほとんど頭までかぶって
ユウギとユミは、まだ
寝ているようだった。一つ布団で。
乃愛は、ドキドキしながらも
目を離せないでいる。
ツヤツヤとした若いユウギの髪の毛が
草のように揺らいで
ゆっくり寝返りを打った。
隣のツヤのないオレンジ色の
ユミの頭も揺れた。
ブランケットがずれて
2人の肩がむき出しになった。
裸だった。
ユミは腕をユウギの首に巻き付け
ユウギは、ユミを腕枕しているようだった。
乃愛の心臓は
暴れるように早く打った。
まるで罠にかかって
そこから逃げようともがく鳥のように
いやだ!という叫び声も
喉から飛び出しそうだ。
それを飲み込んで
「ユウギ!」
と呼びかけた。
ほとんど泣き声のような
乃愛の澄んだ高い声が空気を切り裂いた。
しきりにさえずり
朝の挨拶を交わしていた小鳥たちが
急に黙り、飛び去っていった。
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