7人が本棚に入れています
本棚に追加
さらに奥の
企画展スペースに入ってゆく。
「真夏のスノードーム スケルトンな生物達」とある。
壁も天井も黒で
黄色い小さい照明が暗い星のように灯っていた。
天井からはプラスチックの透明のスダレが
幾重も垂れ下がり
エアコンの風に揺れてキラキラしている。
白いスポットライトの下
小さな水槽が幾つか点々と置かれている。
どの水槽にも
透明の小さな生き物たちがいた。
透き通った触手が揺れるイソギンチャク
目だけ銀色で、骨が全て透けて見えるメダカ
大小、様々なクラゲたちも
頼りなげに向こう側が透けて見える。
そして、円柱を輪切りにしたような
平べったいプラスチックの水槽には
一定のリズムで翼をはためかせ
クルクル、クルクル、クルクル
せわしなく旋回している生き物がいた。
クリオネだった。
最初のコメントを投稿しよう!